2008年08月19日
菩提寺のお盆で・・・
私の父は今年、菩提寺の檀家総代を務めている。
そんなわけで、親父と二人して定刻より少し前にお施餓鬼法要に出かけてみたのだが、今年初盆を迎える檀家さんの親類縁者一同が、すでに本堂に上がって満杯状態であった。
親父は、
「人が多いから、わしはちょっと遠慮して、外で待っている。お前は隅にでも座らせてもらって、お経をあげていけ」
というので、なんとか後ろの方に座る場所を探していると、梅花のおばちゃんたちが、絡子をかけた私をみて、
「ここに座りなさい」
と、御詠歌の席を一つあけてくれた。
前から二列目の特等席を用意されたのだが、こっちはそんなつもりはなくて、それこそ端っこでお経をあげるだけだと思っていたので、絡子はかけていたものの、服装はいい加減なTシャツ姿。
ちょっとおこがましい・・・。
が、あまりに「ここに座れ」と勧められるので、うろうろするわけにもいかずに、前から二列目になんとなく恥ずかしそうに陣取らせてもらった。
そこで気がついた。
「あっ、経本忘れちゃった・・・」
本堂を見渡してみると、「般若心経」の本はあるが、「甘露門」はない。
どうしよう、こんないいところに座らせてもらって、ただ黙ってじっと座っているわけにもいくまい・・・。
そうこうしていると、和尚さんが入堂され、座られた。
御詠歌が始まる・・・
「うーらーぼーんえー」
そういえば、得度してから毎年8月15日は、何かしら仕事があって、お施餓鬼に出るのは初めて。
お経は何を読むのだろう・・・。
御詠歌が終わると、いよいよお経である。
「だいーひしんだらにーぃーいー」
『大悲心陀羅尼』
これはいける。
なむからたんのーとらやーやー。
周りを見渡してみると、和尚と読んでいるのは私だけである。
田舎の寺なので、周囲のお寺もみな一斉にこの日の同じ時間にお施餓鬼を行うため、侍者のお坊さんなどはいない。
ああ、いよいよやめられない。読み間違ったら、迷惑がかかるぞ・・・。
冷や汗が流れた。
つづいて、
「かんろもーぉーおーん」
さて、問題の『甘露門』である。
師匠の伊豆にある自坊のお施餓鬼までに覚えてはみたが、やはり口をついて出てくるまでにはいたらなかった。
しかし、私はそのあとも、毎朝ジョギングしながら「甘露門」を唱え続けていたので、一応記憶はしていた。
さて、どこまでできるか・・・。
で、記憶をたどりたどり読んでみると、なんとかできたではないか!
ちょっとした感動である。
しかしまあ、たぶん次は『修証義』でご焼香だろう。
『修証義』はお手上げだな・・・と思っていたら、
「みょーほれんげきょーにょらいじゅりょーほんげーぇーえー」
『如来寿量品』。
おお、これなら毎朝読んでるぞ!
そんなこんなで、寒い汗をかきながらも、特等席での読経を終了。
和尚さんが「まだご焼香されてない方はどうぞ」とおっしゃるので、私も焼香。
立ち上がると、和尚さんに「これは、よく来てくださいました」と言われて、なんだか照れくさい思いをした。
さて、ながながとお施餓鬼の顛末を記したが、事件はこの翌日に起こった。
あくる朝、オヤジがお盆の片付けにお寺に出かけたところ、帰り際に和尚さんに呼び止められた。
「わしはもう年で、棚経も以前は一日で全部をすませていたが、今年などは、どうも身体が動かない。檀家さんに無理をお願いして、二日にわけさせてもらうことにしたほどです」
はい。
「それで、どうでしょう、息子さんにこの寺を継いでもらえないだろうか」
なんと、そんな話がオヤジに提案されたというのだ。
将来の夢として、菩提寺に住職が不在なら、自分がついでみたいということは、確かに以前から考えていたことではある。
しかし、和尚の側からそんなことを言われると、俄然リアリティーが増す。
まあ、どこまで本気でおっしゃっているのか不明だが、住職の身体が無理の利かない年齢に達していることだけは事実である。
一口に「寺を継ぐ」といっても、私だって食べさせていく家族もあれば、仕事もあるし、大きな住宅ローンも背負っている。
定年退職までには、片をつけるつもりだが、それにしたってあと20年もある。
とりあえずは、出家や安居ということではなく、お盆やお彼岸といった法要に限っては実家に戻り、小坊主さんとしての作法を仕込んでもらうことからはじめるのかなぁ・・・。
いずれにせよ、一度師匠に報告し、指導を仰ごうと思う。
↓クリックのご協力をお願いします!!

そんなわけで、親父と二人して定刻より少し前にお施餓鬼法要に出かけてみたのだが、今年初盆を迎える檀家さんの親類縁者一同が、すでに本堂に上がって満杯状態であった。
親父は、
「人が多いから、わしはちょっと遠慮して、外で待っている。お前は隅にでも座らせてもらって、お経をあげていけ」
というので、なんとか後ろの方に座る場所を探していると、梅花のおばちゃんたちが、絡子をかけた私をみて、
「ここに座りなさい」
と、御詠歌の席を一つあけてくれた。
前から二列目の特等席を用意されたのだが、こっちはそんなつもりはなくて、それこそ端っこでお経をあげるだけだと思っていたので、絡子はかけていたものの、服装はいい加減なTシャツ姿。
ちょっとおこがましい・・・。
が、あまりに「ここに座れ」と勧められるので、うろうろするわけにもいかずに、前から二列目になんとなく恥ずかしそうに陣取らせてもらった。
そこで気がついた。
「あっ、経本忘れちゃった・・・」
本堂を見渡してみると、「般若心経」の本はあるが、「甘露門」はない。
どうしよう、こんないいところに座らせてもらって、ただ黙ってじっと座っているわけにもいくまい・・・。
そうこうしていると、和尚さんが入堂され、座られた。
御詠歌が始まる・・・
「うーらーぼーんえー」
そういえば、得度してから毎年8月15日は、何かしら仕事があって、お施餓鬼に出るのは初めて。
お経は何を読むのだろう・・・。
御詠歌が終わると、いよいよお経である。
「だいーひしんだらにーぃーいー」
『大悲心陀羅尼』
これはいける。
なむからたんのーとらやーやー。
周りを見渡してみると、和尚と読んでいるのは私だけである。
田舎の寺なので、周囲のお寺もみな一斉にこの日の同じ時間にお施餓鬼を行うため、侍者のお坊さんなどはいない。
ああ、いよいよやめられない。読み間違ったら、迷惑がかかるぞ・・・。
冷や汗が流れた。
つづいて、
「かんろもーぉーおーん」
さて、問題の『甘露門』である。
師匠の伊豆にある自坊のお施餓鬼までに覚えてはみたが、やはり口をついて出てくるまでにはいたらなかった。
しかし、私はそのあとも、毎朝ジョギングしながら「甘露門」を唱え続けていたので、一応記憶はしていた。
さて、どこまでできるか・・・。
で、記憶をたどりたどり読んでみると、なんとかできたではないか!
ちょっとした感動である。
しかしまあ、たぶん次は『修証義』でご焼香だろう。
『修証義』はお手上げだな・・・と思っていたら、
「みょーほれんげきょーにょらいじゅりょーほんげーぇーえー」
『如来寿量品』。
おお、これなら毎朝読んでるぞ!
そんなこんなで、寒い汗をかきながらも、特等席での読経を終了。
和尚さんが「まだご焼香されてない方はどうぞ」とおっしゃるので、私も焼香。
立ち上がると、和尚さんに「これは、よく来てくださいました」と言われて、なんだか照れくさい思いをした。
さて、ながながとお施餓鬼の顛末を記したが、事件はこの翌日に起こった。
あくる朝、オヤジがお盆の片付けにお寺に出かけたところ、帰り際に和尚さんに呼び止められた。
「わしはもう年で、棚経も以前は一日で全部をすませていたが、今年などは、どうも身体が動かない。檀家さんに無理をお願いして、二日にわけさせてもらうことにしたほどです」
はい。
「それで、どうでしょう、息子さんにこの寺を継いでもらえないだろうか」
なんと、そんな話がオヤジに提案されたというのだ。
将来の夢として、菩提寺に住職が不在なら、自分がついでみたいということは、確かに以前から考えていたことではある。
しかし、和尚の側からそんなことを言われると、俄然リアリティーが増す。
まあ、どこまで本気でおっしゃっているのか不明だが、住職の身体が無理の利かない年齢に達していることだけは事実である。
一口に「寺を継ぐ」といっても、私だって食べさせていく家族もあれば、仕事もあるし、大きな住宅ローンも背負っている。
定年退職までには、片をつけるつもりだが、それにしたってあと20年もある。
とりあえずは、出家や安居ということではなく、お盆やお彼岸といった法要に限っては実家に戻り、小坊主さんとしての作法を仕込んでもらうことからはじめるのかなぁ・・・。
いずれにせよ、一度師匠に報告し、指導を仰ごうと思う。
↓クリックのご協力をお願いします!!
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この記事へのコメント
1. Posted by
tenjin95
2008年08月19日 19:07
> 管理人様
う〜む・・・『行持軌範』には規定がないんですけど、在家得度している方への『出家得度式』を考えないといけないかもしれませんね。とりあえず、受戒は終わっているから、後は剃髪と三衣一鉢の授与でしょうかね。
あ、ちょっと気が早い記事でしたかね(汗)
う〜む・・・『行持軌範』には規定がないんですけど、在家得度している方への『出家得度式』を考えないといけないかもしれませんね。とりあえず、受戒は終わっているから、後は剃髪と三衣一鉢の授与でしょうかね。
あ、ちょっと気が早い記事でしたかね(汗)
2. Posted by 真山
2008年08月20日 10:23
tenjin95和尚さま
そもそも「在家得度」という言葉に無理があるのでしょうから、規定がないということも、そりゃそうなんだろうなぁなどと思いました。
ただまあ、ウチのお師匠さんは在家得度から出家した張本人だったりしますので、そのあたりには、お考えがあるものと推察いたします。
しかしまあ、おっしゃるとおり、ちょっと気が早いです!!(笑)
そもそも「在家得度」という言葉に無理があるのでしょうから、規定がないということも、そりゃそうなんだろうなぁなどと思いました。
ただまあ、ウチのお師匠さんは在家得度から出家した張本人だったりしますので、そのあたりには、お考えがあるものと推察いたします。
しかしまあ、おっしゃるとおり、ちょっと気が早いです!!(笑)



